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2009.10.17

さようなら、婚約者

IMGP6852v100大好きなのに、世間体という常識を乗り越えられずに、婚約破棄を選択せざるを得なかったふたり。まわりから見れば非常識としか思えない障壁を乗り越え、結婚に至るふたり。思春期、得体の知れない寂寥感、常識と非常識のはざまで揺れ動く心模様を瑞々しく描いた物語を読んだ。

さようなら、婚約者 (講談社文庫)
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物語は、主人公の美樹が婚約者の広樹と婚約を解消する場面から始まる。もし、婚約者が同性愛者であると知ったとき、自分ならどうするだろうか。人間として大好きであることには変わりはないし、一緒にいて安らげる相手であること、自分にとって必要な人であることに間違いはないのだ。

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婚約を解消しても、ふたりは人目を忍んで逢うことを続ける。もちろん、そこには性的な交渉はなく、純粋に人として惹かれあうふたりがいて、互いに心から支え合っている。そして、物語は美樹の親友である文沙子や、遠縁の卓也を巻き込んで、思いもよらない方向へ進んでいく。

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美樹の生い立ちは、両親が望む生き方に反発し、ことごとく違う道を選択してきた。そんな彼女が望んだ見合い、そして結婚。両親はやっと親の気持ちを理解してくれたのかと喜ぶのだが、彼女の心は全く違っていた。幼い頃からたびたび襲ってくる寂寥感に耐えかね、その理解者を求めていたのだ。

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あえて言葉にするなら「身体の中で冷たい風が流れている」と彼女は表現する。「こういう心の在り方は分かってもらえないに違いなく、私としてもうまく説明できない」とも言う。いわゆる、思春期の拠り所ない不安だけれど、この世知辛い世の中、今、誰もが感じている気持ちなんじゃないかなと思う。

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