« あさな ゆうな | トップページ | 責任力 »

2009.08.13

みんないってしまう

IMGP6573プラナリア」が気に入ったので、古本屋で山本文緒さんの作品を見つけては読んでいる。「ファースト・プライオリティー」は少し短過ぎるきらいがあったけれど、本作は 12 編の短編集ということで、内容はもちろんのこと、密度も展開も絶妙な頃合いでとても楽しく読めた。

みんないってしまう (角川文庫)
みんないってしまう (角川文庫)
角川書店 1999-06
売り上げランキング : 66778

おすすめ平均 star
star喪失感いっぱい。
starさらっと読める
star不器用な女性に心惹かれる

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

テーマは喪失。大人になると時間が速く流れ、気づかないうちに大切なものを失くしていく。いや、もしかしたら気づいているけれど、心のどこかで、気づかない振りをしているだけなのかも知れない。そんなことを考えさせられる 12 編の物語。

IMGP6573

PENTAX *ist DS + smc PENTAX-DA 21mm F3.2 AL Limited

時間が速く流れるのは、新鮮な出来事に出会っていないからだという。確かに周りを見渡してみても、多くの出来事は予定調和であるし、ハレとケという言い方をするならば、日常生活は正にケのオンパレード。誰もが、そうして日々暮らしているのだ。

IMGP6571

PENTAX *ist DS + smc PENTAX-DA 21mm F3.2 AL Limited

新鮮な出来事が少なくなったからだろうか。何かを失くすことが、とてつもなく大きな喪失として感じられる。子供の頃には、思いもしなかったことが悲しみとなる。別れのない所に出会いはない。では、喪失の向こうにあるものは何だろうか。

IMGP6572

PENTAX *ist DS + smc PENTAX-DA 21mm F3.2 AL Limited

標題作である「みんないってしまう」のラストシーンがとても印象的だった。「ひとつ失くすと、ひとつ貰える。そうやってまた毎日は回っていく。幸福も絶望も失っていき、やがて失くしたことすら忘れていく。ただ流されていく。思いもよらない美しい岸辺まで。」

|

« あさな ゆうな | トップページ | 責任力 »

ポートレイト」カテゴリの記事

写真」カテゴリの記事

山本文緒」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/82331/45914549

この記事へのトラックバック一覧です: みんないってしまう:

« あさな ゆうな | トップページ | 責任力 »