僕のなかの壊れていない部分
主人公の頑な生き方に、「どうして」と言いたくなる場面が何度あったことでしょう。彼が求めているものは何なのか。壊れていない部分は何処なのだろう。読んでいる最中はもちろん、読み終えた今でも、生きることについて考えさせられる物語です。
| 僕のなかの壊れていない部分 (光文社文庫) | |
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万人に受け入れられる物語ではありません。もしかしたら、話も面白くないし主人公の生き方にも共感しない、そういった評価の方が多いかも知れません。でも、私には、主人公の生き方と自分が重なる瞬間があって、惹かれるものがありました。言葉では説明できない何かがありました。
PENTAX *ist DS + smc PENTAX-DA 18-55mm F3.5-5.6 AL
主人公の恋人が、最後の場面で言った台詞の中から、印象的な言葉を引用します。
「天国も地獄も、あの世もこの世も、みんなここなのに。過去も未来も全部ここで起こり、ここでこれから起こるだけ。私もあなたもここにいて、生まれる前も、死んだあともずっとここにいるの。神様も悪魔もきっとここにいて、来る前の場所も帰って行くべき場所も、どこにもないの。みんなここにしかない」
「私はあなたにいつも言いたかった。あなたは目を凝らして、一体どこを見ようとしているのって。あたなには、いまあなたが立っている場所から、そのあなたの足元からずっとずっとつながっている世界しか見ることができないのに、それでもあなたは一体何を見ようとしているのって」
「あなたがちゃんと自分の足元を見つめ、それから顔を上げて、ようやく目を見開けば、この世界は無限に広がって、この世界こそが、あなたの見ることができる、そして見るべき唯一の場所だって分かるはずなのにって。それをあなたは私の気持ちなんて想像しようともせずに、ただ、私の前で自分を消そう消そうとするばかりだった」
PENTAX *ist DS + smc PENTAX-DA 18-55mm F3.5-5.6 AL
倖せは人それぞれに違うもの。何を倖せと感じるか、何を不倖せと感じるかは十人十色。いつも前を向いて、笑って歩ければそれにこしたことはない。それが出来ない時、心も身体も動かない時、お前ならどうする? そんな命題を、目の前に突きつけられているような気がしています。
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