精霊流し
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登場人物の何気ない言葉が輝いています。物語は全部で 8 話。「薔薇の木」「遠雷」「身代わり」「A マイナーのバラード」「精霊流し」「らくだやの馬」「明暗」「鬼火」。人に運命があるのなら、どうしてこんなに悲しい運命があるのだろう。それでも笑って、精一杯、命を輝かせて生きた軌跡に涙がこぼれました。
PENTAX *ist DS + smc PENTAX-DA 18-55mm F3.5-5.6 AL
「原爆ば恨んどるやろ?」
「うん、昔はね、そんげん思うたときもあるとよ。ばってんねえ、今は思わないと」
「なして?」
「あのね、戦争やもん。仕方がないのよ。日本が先に原爆ばつくっとったら、他の国の誰かが私と同じ目に遭うたとやろ? 戦争って、そういうもんやろ」
「ほら、まあ坊、原爆が最後の兵器って思っとったら、ほら、もっともっと怖ろしい兵器がどんどん出てくるやろ?」
「人間の心はね、そげんたい。弓の次は鉄砲、その次は大砲、爆弾、原爆。私はそんな怖ろしいものを次から次にどんどん考えつく心が自分にもある、と思ったら、その方が怖い」
「戦争のなくならん限り駄目よ。原爆だけのことじゃなかとさぁ」
「私はそんげん思うよ」
第八話「鬼火」より引用
PENTAX *ist DS + smc PENTAX-DA 18-55mm F3.5-5.6 AL
自伝的小説ということで、長崎を舞台にした物語が多い。それで感じたことは、方言っていいなということ。どうしてって、うまく言葉で説明できないけれど、とてもあたたかい。日本の文化の中で、ずっとずっと大切にしていかなければならないものだと思います。日本全国が標準語になったり、同じような街や物で溢れてはいけないと思うのです。
「弥生」
あなた知ってますか
今 地球の軍事費は
秒針が時計を一度回る毎に
二億三千万
あなた知ってますか
軍事費って 秒針が二秒(ふたこま)進む毎に
子供ひとりを殺しているということを
そうね お医者さんも居なけりゃ
食べるものもない そんな国に生まれた子供も
僕たちも同じ子供でしょう
あなた知ってますか
今 地球は平和だと
誰か言ってたけれど それは多分嘘だろう
海にミッドウェイ浮かんでる
今 地球の何処かで
僕の友達が 死んで逝く
細い手で何かを掴もうとしていた
僕の友達が 死んで逝く
作詞:植田 洋一
作曲:植田 洋一
PENTAX *ist DS + smc PENTAX-DA 18-55mm F3.5-5.6 AL
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コメント
今年体調を崩した私は、長崎で行われた祖母の3回忌に行くことが出来ませんでした。
祖母から原爆のときの話を聞いたことがあります。
長男と長女(私の母)を連れて、必死で山の方に逃げたこと、途中で身体が焼けただれた人を何人も見たことなど。
そのとき既に物忘れが激しく、同じ話を繰り返すばかりで、内容も一般的には乏しいものでした。
ただ、実際に被爆し、夫を亡くし、その後一人で3人の子供を育て上げた一人の人間の肉声、そしてそれが何よりも自分をいつも可愛がってくれた祖母であるという事実。
私にはこの貴重な言葉に秘められた思い、痛みを我が子に伝えていく責任があると、今あらためて強く思います。
その祖母は、毎晩神への祈りを欠かさず、とうとう最期まで戦争や原爆への恨みを一言も語ることなく、天に召されました。
憎しみ、恨みからは何も生まれず、ただ祈りと愛のうちに本当の幸せがあることを、祖母は身をもって私に教えてくれたのです。
人間は、時として本人にはどうしようもない力によって、その人生を大きく変えられてしまいますが、一方で他の誰にも変えられない、いや変えてはいけない自分があるはずです。
その自分を見つけ、強くするために、これまでも、そしてこれからもたくさんの人に助けられるでしょう。
もしあるとき、そんな自分が少しでも誰かの役に立てたのなら、こんな幸せなことはありません。
そのためにも、毎日の小さな出会いを大切に、感謝して過ごしたいと思います。
投稿: bin_chan | 2008.12.25 22:53
♪ bin_chan さん
いつも私のエントリーより素晴らしいコメントを寄せてくれてありがとう。感謝しています。憎しみ、恨みからは何も生まれないということ、私も恥ずかしながら最近になってようやく分かるようになりました。お祖母さまの想いを bin_chan さんがお子さんに伝えていく。そして、お子さんがお孫さんに伝えていく。簡単なようで難しい、でもとても大切なことだと思います。
最近、世の中は悲しい事件が多いし、この日本はどうなっていくのだろうという漠然とした不安を誰もが抱いていると思います。悲観的な気持ちは、人をますます悲観的にして、下へ下へと螺旋階段を下るようになっていく。大切なことは、今を自分なりに精一杯生きること、そして少しでも自分が成長できること。その結果として、自分がまわりの人たちの倖せに少しでも役に立てたなら、こんなにうれしいことは無いですね。
またお会いできるのを楽しみにしています。
投稿: 現代音協楽 | 2008.12.30 15:15