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2005.07.01

紫陽花に寄せて

紫陽花に寄せて ここ数日、やっと梅雨本来の天気になってきました。各地で渇水が心配されるほどの空梅雨ですし、何よりも、雨に濡れた姿が美しい紫陽花のために、この雨も、しばらくの間は我慢することにいたしましょう。紫陽花というと、鎌倉の明月院や長谷寺が有名ですね。高校生まで茅ヶ崎に住んでいた私も、この時期には紫陽花を見に、鎌倉へ足を運んだものでした。

今年は梅雨入りしてからの雨量が少なく、紫陽花の開花はまだまだのようです。職場近くの公園に、ひっそりと植えられている紫陽花があって、いつも通りがかりに観察しているのですが、こちらも見頃はまだまだ先といった趣きでした。

紫陽花について、忘れられない言葉があります。中学一年生の時、国語の授業で作文の課題が出されました。自分が何を書いたのかはすっかり忘れてしまったのですが、同じクラスの女の子の書いた作文が優秀だったということで、授業中に朗読されたのです。その作文のタイトルは「紫陽花に寄せて」。私は、"〜に寄せて" という大人びたタイトルに感動したことを、今でも鮮明に憶えています。

中学一年生と言えば、まだまだ子供です。作文のタイトルを真剣に考えることもなかったですし、どんなに凝ったとしても、"〜について" くらいが関の山でした。しかし、彼女の作文は、タイトルはもちろんのこと、文章自体も他の生徒のものとは一線を画していました。詩的な言葉遣いが心地良いリズムを刻んで、その独自の世界は本当に素晴らしいものでした。文才があるというのは、こういうことなのだと、子供心に思ったものでした。

その後、私がオリジナル曲をつくるにあたって、歌詞の重みを意識するようになったのは、そんな彼女の作文がきっかけだったと言えるでしょう。その後、彼女は転校してしまい、今、どうしているのかは分かりません。でも、このご時世ですから、彼女もブログで素敵な文章を書き連ねているのではないでしょうか。そして、いつかどこかで再会できたら、もう一度「紫陽花に寄せて」を朗読してもらいたいと、紫陽花の季節に思うのです。

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