社説:師走の街に宗教を考える
年の瀬も押し迫り、街はクリスマスの彩りであふれている。それはそれで美しくて良いのだけれど、歳を重ねる毎に「クリスマスってキリスト教のお祭りじゃなかったのかな」と疑問を持つようになってしまった。
子供の頃、クリスマスはサンタクロースがやって来て、プレゼントを置いていってくれる楽しい日だった。もちろん、イエス・キリストが生まれた日であることは知識の上では知ってはいたが、私には宗教上何の関係もないことであった。その当時、世間でクリスマスがどの様に迎えられていたかは分からないが、今日の様ではなかったと思う。いつからクリスマスイブが、一年中で一番素敵な日になったのだろうか。テレビでは、「クリスマスイブには彼女のために何十万円も使う」と若い男性が自慢げに話していた。
事ある毎に、イベントがマスコミによって消費に向けられていくのを「何か違う」と感じるのは私だけであろうか。おそらく、クリスマスの次はバレンタインデー、そしてホワイトデー、最近では七夕なども消費商戦に使われているようである。まだ、お中元やお歳暮といった世話になった方へ御礼の気持ちを贈るという方が、趣旨がしっかりしていて納得できる。プライベートな出来事に、お金を使わなければ遊んだ気になれないとしたら、それは非常に残念なことであると思う。
日本人は働き蜂で遊び方を知らない。外国人からすれば、休日出勤などはとんでもないことだろう。もう少しゆっくりと歩こうではないか。のんびりと仕事や勉強をした方が、気持ちにゆとりが持てるし、能率だって良くなるはずである。二月に提出する卒業研究を、一月半ばから書き始めたっていいではないか。
しかし、私が常日頃から譲れないものが一つある。それは、やはり借金は早く返さないと自分が苦しくなるということだ。暑い夏に、海岸沿いの別荘の庭で食べるバーベキューは何とも言えない美味しさであるが、お代を冬に払うなどということは言語道断である。夏にエアコンの効いた室内で、汗を流しながら食べるチャンコ鍋も格別であるが、お代を払わないということは "パチ夫" と呼ばれても文句を言う資格はないのである。
1991 年 12 月吉日発行:菅谷日報より
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